最近、アトリエでは手芸や絵の具体験、そして絵画やuvレジン、クラフト、ボタニーペインティングに夢中になるお子さんが目に見えて増えています。
「うちの子、こんなに没頭するなんて!」と驚かれるお母さんも多いですが、実はこれには、現代の子どもたちを取り巻く環境と、アートやクラフトが持つ絶大な効果が深く関係しています。

1. 現代の子どもの脳は、想像以上に疲れている
ここで少し、子どもたちが今どれほどの刺激の中にいるのかをお話しさせてください。
一説によると、現代人が1日に受け取る情報量は、江戸時代の一年分、平安時代の一生分に相当するとも言われています。明治、大正、昭和と時代が進むにつれ、情報のスピードは驚異的に加速しました。
動画やゲームは楽しく、子どもたちも自分から情報を求めているように見えます。一見、たくさんの情報を処理できていて「賢くなっている」と感じるかもしれません。
ですが、脳の処理能力には限界があります。楽しいという感覚の裏側で、実は子どもの脳は1日の許容量を大きくオーバーし、パンパンに疲れ切っている可能性があるのです。
2. アートがもたらす「脳のリセット」と「自己の解放」
だからこそ今、アトリエでの活動が、子どもたちの脳と心を整える最高の休息になっています。
溢れかえった情報を一度止めて、自分の内側にあるものを出す。この出力(アウトプット)の時間が、脳を健やかに保ちます。
・手芸(編み物・刺繍):
同じ動きを繰り返すリズムは、脳を安心感で満たしてくれます。黙々と指先を使うことで、周りの刺激から離れ、自分だけの静かな世界を取り戻せます。

・絵の具体験:
正解のない世界で思いきり色を広げる。これは固まった心と体をゆるめ、感情を解き放つ心のデトックスです。

・ボタニーペインティング:
本物の植物を使うアートは、思い通りにならない自然が相手です。何でもボタン一つで解決するデジタルな世界とは違い、偶然の美しさを受け入れる過程で、しなやかな強さが育ちます。

3. 社会の中で育むリスペクトの心
アトリエでは、美術館へも足を運びます。
本物の芸術に触れることはもちろんですが、何より「大人が真剣に作品と向き合い、感動している姿」を間近に感じることに意味があります。
作品はリスペクトするものなんだ、美術館は静かに、でも心豊かに過ごす場所なんだという感覚。それは言葉で教わるよりもずっと深く、一生モノの感性として子どもたちに刻まれます。

4. 皆さんと一緒に考えていきたいこと
お子さんが何かに没頭しているとき、それは脳を休め、自分自身を一生懸命に整えている、とても大切なサインです。

ただ、ここで一つ、皆さんと一緒に深めていきたいことがあります。
それは「何かに没頭する」と言っても、アートへの没頭と、ゲームへの没頭には、実は大きな違いがあるということです。
どちらも夢中になっているように見えますが、実は脳の中で起きていることは正反対。
刺激を浴び続けて脳が麻痺してしまう没頭なのか。
それとも、自分の内側から創造して心が満たされる没頭なのか。
この違いを知ることは、情報が溢れる今の時代にお子さんの感性を守るための、とても大切な鍵になります。
このお話の続きは、また次回のブログで詳しくお伝えしますね。

私たちの役割は、お子さんの没頭する力が、本当の意味でその子の心の栄養になるよう、最適な環境を整えてあげることだと思っています。